2018.05.08更新

退職金が財産分与の対象になるのかという問題があります。

というのも、退職金は将来に支給されるものであるため、将来の事情によっては、支給を受けられない可能性があるためです。

にもかかわらず、離婚時に財産分与の対象とすると、離婚時に退職金の半額を相手方に支払っていたが、実際に退職する際には、退職金を受領できなかったという不都合が生じかねません。

 

この点、訴訟では、多くの場合、基準時(夫婦の経済的な協力関係が無くなった日、通常は別居日)時点において自己都合退職したとした場合の退職金全額を財産分与の対象とすると取り扱っていると思われます。定年退職日が相当先であったとしても同様と考えられます。

東京家庭裁判所における運用は、上記のものであると、ほぼ明言している書籍もあります。

ただ、調停の場合は、ケースバイケースで自己都合退職した場合の退職金から多少減額をした金額を財産分与の対象にするという場合もあります。そのように調停委員会から言われることもあります。

裁判例ではいろいろな事例があり、自己都合退職したとした場合の退職金から何割かカットした金額を財産分与の対象にした事例も散見されますが、現時点では、訴訟まで起こせば、自己都合退職した場合の退職金額を財産分与の対象とすると考えて間違いではないと思います。

 

 なお、仮に夫の退職金が問題となっているとして、夫が婚姻前からその会社に勤務していたのであれば、婚姻前に勤務していた期間に相当する退職金は、財産分与の対象になりません。

例えば、勤続年数10年で、婚姻前に2年の勤続年数があり、退職金が1000万円だったとした場合、財産分与の対象になる退職金は、800万円となり、その半額の400万円を妻は財産分与として受領できるとういことになります。

投稿者: アビーム法律事務所

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