2018.10.09更新

(誰が相続人になるか、相続分はくらか)

1.相続人と相続分

 

2.子や兄弟姉妹はいたが既に亡くなっていた場合の相続人

 

3.遺贈と死因贈与とはどう違うのですか?

 

(遺産分割の解決方法)

4.遺産分割の問題の解決方法

 

5.調停や審判はどこの家庭裁判所に申し立てればよいのですか?

 

6.調停が不成立になった場合はどうなるのですか?

 

7.遺産分割協議書の作成方法

 

8.法定相続人の中で行方不明の者がいますが,その場合,遺産分割協議はどうやってすればいいですか?

 

(遺産の範囲、遺産分割の対象)

9.被相続人に借金がありましたが,遺産分割協議で特定の相続人に債務を負わせることはできますか?

 

10. 被相続人の生命保険金は,相続財産に含まれるのでしょうか?

 

11.被相続人の死亡によって支給されることとなった退職金はどのように扱われますか?

 

(遺留分減殺請求)

12.すべての遺産を長男に相続させるという遺言が父の死後出てきました。このようなことが許されるのでしょうか?

 

13. 遺留分というのはどういう制度ですか?

 

14.遺留分を請求する具体的な方法はどのようなものですか?

 

(特別受益)

15. 特別受益とはどういう制度ですか?

 

16. 特別受益の計算-遺贈がある場合

 

17. 相続人の配偶者や相続人への子の贈与が特別受益になるか

 

(寄与分)

18. 寄与分というのはどういう制度ですか?

投稿者: アビーム法律事務所

2018.10.09更新

特別受益というのは、条文で、共同相続人が贈与等を受けた場合の制度となっているので、原則は、相続人が贈与等を受けないと特別受益になりません。

 

ただ、実際には、相続人の配偶者や相続人の子ども(被相続人から見ると孫)に贈与をしたということもよくあることだと思います。

こういった場合に、これらの贈与が特別受益になるのかということが問題になります。

 

結論としては、ケースバイケースで、特別受益になることもあるという言い方になってしまいうのですが、裁判所に簡単に特別受益と認めてもらえるものであるとは考えないほうがいいかと思います。

原則は、相続人への贈与等でないと駄目です。

 

例外的に、配偶者などへの贈与でも特別受益と認めた事例はあります。

有名な事例は、農家の事例で、父親(被相続人)が娘に贈与するのではなく、その夫に農地を贈与したという事例があります。

この事例では、長女が分家するに際して農地が贈与されました。また、実際に農業に従事しているのは娘であり、その配偶者ではありませんでした。

父親が娘に贈与したのは、それまで娘が父親の農業を手伝ってくれていて、その謝礼という意味合いがありました。

農地の名義を配偶者にしたのは、夫を立てたほうがいいという理由でしかありませんでした。

さらに、遺産のうちの40%弱が当該農地で、遺産の占める割合も大きかった事例です(この贈与を無視するとかなり不公平になる事例)。

 

こういったことを考慮して、配偶者に農地を贈与していますが、これは娘への特別受益と認定されました。

娘への贈与と同じと認定されたことになります。

 

このように、様々な事情を考慮して、特別受益に該当するか判断します。

単に、配偶者や孫に贈与されている場合で、その贈与が相続人への贈与と同視できない場合は、やはり原則どおり、特別受益にはならないということになります。

 

娘への贈与だったのが、形式的に娘の配偶者名義の口座に送金されているというような場合、娘への贈与ではないとして特別受益には当たらないという結論になることはありえます。

感覚的には受け入れがたい結論なのですが、こういう結論になる可能性は大きいですから、贈与する際には、不公平な結論にならないよう、きちんと娘名義の口座に送金すべきです。

 

投稿者: アビーム法律事務所

2018.10.09更新

被相続人:A

相続人:妻と長男、長女、次男、次女

残っていた遺産 8,000万円

長男の受けた遺贈 1,000万円

長女の婚姻支度金 400万円

次男の生前贈与 600万円

妻と次女は何ももらっていない。

 

以上で、計算してみます。

 

まず、遺産と生前贈与を足します。遺贈は足しません。

合計は、9000万円になります。

(遺贈分は残っていた遺産の中に入っているので、遺贈分も足すということはしません。)

 

そうすると、本来は、

妻 4500万円

子どもたち 各人1125万円

を受け取ることになります。

ただ、遺贈や生前贈与がありますので、以下の通りになります。

 

妻 4500万円

長男 125万円(ただし、別途遺贈として1000万円を受領)

長女 725万円(1125万円-400万円)

次男 525万円(1125万円-600万円)

次女 1125万円

 

上記の合計は、7000万円となりますが、長男が別途遺贈で1000万円を受領しますので、遺産として残っていた8000万円と金額が一致します。

このように、遺贈は、生前贈与とは少しだけ計算方法が変わってきます。

 

投稿者: アビーム法律事務所

2018.10.09更新

相続人の中に、被相続人から遺贈や生前贈与を受けた人がいた場合、被相続人が死亡したときに残っている遺産だけをもとに相続人の取得額を計算すると、相続人間に不公平が生じるため、この不公平を是正するための制度が必要になります。そして、相続人が遺贈等で受けた利益のことを「特別受益」といいます。

 

特別受益になりうるのは、以下の利益です。

・遺贈を受けた

・被相続人の生前に婚姻・養子縁組のために贈与を受けた

・生計の資本(住宅購入費等)として贈与を受けた

 

実際にどう計算するかといいますと、下記のように計算します。

 

被相続人:A

相続人:妻と長男、長女、次男、次女

残っていた遺産 8,000万円

長男の生前贈与 1,000万円

長女の婚姻支度金 400万円

次男の生前贈与 600万円

妻と次女は何ももらっていない

 

まずは、8000万円に各種の贈与等を加算します。

上記を合計すると、1億円です。

この金額が、贈与等がなければ、遺産として残っていた金額です。

これを法定相続どおりに分けていたとしたら、

妻  5,000万円

長男、長女、次男、次女 各人1,250万円

となります。

 

ただ、既に生前贈与等を受けていますから、各人は下記の通り取得することになります。

妻  5000万円

長男 1,250万円-1,000万円=250万円

長女 1,250万円-400万円=850万円

次男 1,250万円-600万円=650万円

次女 1,250万円

 

上記の合計は、8000万円で、遺産として残っていた金額と一致します。

 

上記のように、生前に贈与などがあった場合、これを考慮して、相続人間の公平を図ります。

これが特別受益といわれる制度になります。

 

投稿者: アビーム法律事務所

2018.10.04更新

寄与分というのは、被相続人の財産の維持や増加に特別の寄与をした相続人に優先的に寄与相当額の財産を取得させることによって、共同相続人間の実質的な衡平を図ることを目的とした制度です。

 

寄与分の種類には、下記のようなものがあります。

 

1 家事従事型

  これは、被相続人の事業に関する労務の提供という意味です。

  家業である農業や漁業、小売業などを手伝った場合の類型になります。

 

2 金銭等出資型

  これは子どもが親に金銭的な援助をしたというような場合です。親の事業に関し援助をしたことが必要です。

 

3 療養看護型

  相続人が被相続人に対する療養看護をしていたというような場合です。

  これが一般には一番問題になるかと思います。

 

4 扶養型

  相続人が被相続人を扶養したことにより、被相続人の支出が減ったというような場合です。

  これは、一応、類型として一般にあげられているのですが、ほとんど認められることはないと考えられています。

 

5 財産管理型

  被相続人の財産を管理したりして、被相続人がその費用の支出を免れるなどし、財産の維持管理に寄与した場合の類型です。

 

この類型は、非常に影響力のある本でこのように類型化して記載がなされたたため、一般にこのように分類されることになりました。

ただ、実際には、寄与分に関する民法の条文には、1から3のことしか書いてありません。

そのため、実務上は、4と5はほとんど認められないと考えられていますし、実際にそうです。

 

寄与分は、要件が厳しく、なかなか認められないのですが、要件等については別のページでご説明します。

 

投稿者: アビーム法律事務所

2018.09.28更新

事例

 

夫婦共有の不動産

夫持分 2/3

妻持分 1/3

不動産の時価 3000万円

 

1.どちらも不動産の居住希望なし

この場合は、夫から妻に対し、500万円を支払う又は夫から妻に持分1/6を分与するという結論になります。

結果、夫婦の共有関係が続きます。

共有関係を解消したければ、離婚成立後、夫婦で不動産を売却するか、一方が売却に協力しない場合は、共有物分割請求という法的手続を取ることで、共有関係を解消することになります。

 

一般には、このような共有関係が残らないように、調停での合意が図られたり、訴訟でも和解が試みられることになります。

 

2.一方に居住のための取得希望があって、客観的にもその必要性が高い場合

この場合は、仮に妻が取得希望した場合、夫の持分2・3を妻に分与し、妻は夫に1500万円を代償金として支払うという結論になります。

この結論を取る場合は、代償金を支払うべき妻にそれを支払えるだけの資力があることが前提となります。

この資力がない場合は、1の場合のように共有関係を残すという結論をとるほかなくなります。

資力があるのに支払いをしないという事態を防ぐため、通常は、判決で、代償金の支払いと引き換えに不動産の持分の移転登記手続きをするよう命じる判決がなされることになります。

投稿者: アビーム法律事務所

2018.09.05更新

遺留分制度というのは、被相続人(亡くなった方)が有していた相続財産について、その一定割合の承継を一定の法定相続人に保障する制度です。

 

遺留分とは、被相続人の財産の中で、法律上その取得が一定の相続人に留保されていて、被相続人による自由な処分(例えば贈与や遺贈)に制限が加えられているものをいいます。

 

本来は、被相続人は自分の財産である以上、自由にそれを処分することができるはずです。しかし、相続という制度は、遺族の生活保障や遺産の形成に貢献した遺族への清算(特別受益や特別寄与など)という機能があります。

そのため、民法は、遺留分制度を通じて、被相続人の財産処分の自由と相続人の保護との調整を図ることにしています。

 

その結果、遺留分という制度が設けられているということになります。

 

投稿者: アビーム法律事務所

2018.08.31更新

面会交流について、とくにこれを制限する事情が存在しないが、親権者又は親権者となる予定の者が面会交流を拒絶しているという場合、家庭裁判所はどのような判断をする傾向にあるでしょうか。

 

この点、基本的には、月に1度の面会交流を認めるという運用をしている裁判所が多いかと思います。

 

そのため、親権者に対しては、月に1度は面会交流をするよう裁判所は説得しますし、非親権者に対しては、仮に月に2度以上の面会交流を希望していても、1回で合意するよう説得してくることが多いです。

 

もちろん、ケースバイケースではあるのですが、家庭裁判所は月1回が基本と考えていると思われます。

投稿者: アビーム法律事務所

2018.08.30更新

離婚する場合に、未成年の子どもがいれば、父母のいずれかが親権者になり、子どもと同居してその監護養育をします。また、離婚することなく別居した場合も、父母の一方が子どもを監護養育することになります。

 

このような場合に、親権者ならなかった親や子どもを監護していない親がこどもと直接会ったり(面会)、面会以外の方法(電話による会話や手紙・携帯電話等でのやりとりなど)で意思疎通すること(交流)を面会交流といいます。

 

面会交流は、離婚に際し、非常に激しく対立することが多い問題です。

基本的には、親権を得た又は得られることが確実な当事者が、相手方に子どもを会わせたくないということを主張し、紛争が激化します。

 

ただ、ドメスティック・バイオレンスのような事例は別として、性格の不一致などを原因とする離婚の場合は、冷静に協議し、面会交流の方法を取り決めていくべきです。

離婚したとはいえ、子どもにとっては、親であることは変わりなく、親権者とならなかった親との交流も子どもの健全な生育のためには必要なことであると考えられるからです。

 

 

投稿者: アビーム法律事務所

2018.08.23更新

個人再生において、住宅資金特別条項を利用して、住宅を残しつつ、債務を圧縮するという場合、その住宅が以下の要件すべてを満たしている必要があります。

 

① 個人である再生債務者(個人再生の申立人)が所有する建物であること

② 再生債務者が自己の居住の用に供する建物であること

③ 建物の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら自己の居住の用に供されていること

④ 上記①~③の要件を満たす建物が複数ある場合、これらの建物のうち、再生債務者が主として居住の用に供する一の建物であること

 

転勤している場合は、②の要件を満たすのか問題となるのですが、転勤は一時的なもので、いずれは自宅に戻ってきて生活をするということが客観的に言えれば、「住宅」に該当するとして、住宅資金特別条項を利用した個人再生は可能です。

 

客観的に言えるというのは、他人に貸している賃貸借契約が定期借家契約になっており、契約締結段階で、転勤から戻ってきた後は再契約をすることはないと説明されているというような場合(これについては住宅の管理会社から報告書を提出してもらうなどの方法で証明していくことになるでしょう。)がこれに該当すると考えられます。

ただ、定期賃貸借契約ではなく、普通賃貸借契約を締結していたような場合は、少々立証が難しくなります。ただ、普通賃貸借契約だからといって、絶対に「住宅」に該当しないということはないでしょう。賃借人が転勤から戻ってきたら、出ていくことになっており、実際出ていくつもりということを説明してくれれば(そういった内容の報告書を作成してくれれば)、住宅資金特別条項を利用できる可能性もあると思います。

 

投稿者: アビーム法律事務所

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