2015.05.24更新

交通事故の被害に遭われた方が加害者に対し請求できる損害賠償の主な内容は,以下のものとなります。

 

1.治療費
2.付添看護費
3.雑費
4.通院交通費・宿泊費
5.葬儀関係費
6.休業損害
7.後遺症または死亡による逸失利益
8.慰謝料
9.物損

投稿者: アビーム法律事務所

2015.05.24更新

治療費の内容についてご説明します。

 

1.病院での治療費
これは,当然,必要かつ相当な実費全額を請求できます。
もっとも,必要性や相当性のない過剰診療や高額診療について請求できません。
つまり,医学的に必要性がないものや,特段の理由がないにもかかわらず,社会一般の診療費水準に比べ著しく高額な治療費が必要となる治療については請求できないということです。

 

2.鍼灸,マッサージ費用,器具薬品代等
医師の指示があった場合など,治療に有効であったと認められれば請求することができます。

 

3.温泉療養費
医師の指示があって温泉療養をした場合には認められる場合がありますが,全額の請求は難しいでしょう。

 

4.入院中の特別室使用料,差額ベッド代
医師の指示や特別の事情があれば請求できます。
特別の事情とは,症状が重篤であったり,空室がなくやむを得なかった場合などです。

 

5.症状固定後の治療費
原則としては請求することはできません。
もっとも,症状固定後であっても必要性が特に認められる場合には,請求できる可能性があります。

 

6.将来の手術費,治療費
特に必要性が認められる場合には,請求が可能です。

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2015.05.24更新

付添看護費についてご説明します。

 

1.入院付添費
入院のために付き添う人が必要となった場合,その費用が認められる場合があります。医師の指示がある場合や怪我の程度,被害者の方の年齢等を考慮し必要があれば,付添人にかかる費用全額の支払い請求が可能です。
近親者が付添人の役割を担う場合には,1日6500円程度の請求をすることも可能です。
被害者が幼児であったり児童であったりした場合には,1割から3割程度増額される場合があります。

 

2.通院付添費
通院のために親族が休暇をとった場合など,損害を被っている場合,一定程度の請求が認められる場合があります。
その場合,1日につき3300円程度が認められます。

 

3.症状固定までの自宅付添費
症状固定までの自宅での看護のために近親者が付き添っていたような場合にも付添費が認められる場合があります。
この場合,特に額に相場があるわけではなく,月に8000円の場合もあれば,2000円の場合もあります。

 

4.将来看護費
症状固定後であっても,医師の指示や障害の程度により必要があれば,付添い日が認められます。
付添いを業者に頼む場合は実費全額を,近親者が付き添う場合には1日8000円程度の請求が可能です。症状が特に重い場合には増額もあり得ます。

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2015.05.24更新

1.入院雑費
入院に必要な雑費として1日1500円が請求可能です。

 


2.将来の雑費
後遺症が残った場合などで将来にわたり特に必要なおむつ代や消耗品費などの雑費も請求できます。

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2015.05.24更新

原則としては,電車やバスの料金の請求ができます。
自家用車を利用した場合は,ガソリン代などの実費となります。
症状によりタクシーの利用が必要であった場合には,タクシー代の請求も可能です。
看護に付き添った近親者の交通費も請求できます。

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2015.05.24更新

葬儀関係費用は,150万円程度の請求が可能です。もっとも,実際には150万円かからなかったという場合には,かかった費用の額となります。
なお,香典返しは損害とはなりません。

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2015.05.24更新

逸失利益とは,後遺症や死亡により,本来得られた財産を得られなくなるわけですが,その財産のことをいいます。
当然,この逸失利益も,損害賠償請求の対象となります。
まずは,後遺症による逸失利益についてご説明します。

 

逸失利益は,以下のような計算式に基づいて算出されます。
計算式

 

基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

 

 

簡単にご説明しますと,もともとの被害者の収入から後遺症により失われた労働力の割合を掛け合わせ,最後に人生の残りの労働可能期間に相当するライプニッツ係数という数字を掛け合わせて算出します。ライプニッツ係数については,一言ではご説明できないので,後で詳しくご説明します。

 

1.基礎収入額

給与所得者
基本的には,事故前の現実の収入額が基礎収入となります。
現実の収入が賃金センサスの平均額以下の場合は,平均賃金程度の収入を今後得られる高い可能性がある場合には,その平均額を基礎収入とします。
30歳未満の被害者については,その後,収入が増加する可能性が高かったと考えられることから,全年齢平均の賃金センサスを使って基礎収入額を割り出します。

 

事業所得者
自営業者などの事業取得者は,申告所得が原則として基礎収入額となります。
申告額と実収入額が異なる場合には,立証できれば実収入額を基礎収入額とします(実際に立証するのはなかなか困難です。)。
現実の収入が平均賃金を下回るような場合でも,平均賃金を得られる高い可能性のある方については,男女別の賃金センサスを使って基礎収入額を割り出します。

 

家事従事者
主婦などの家事従事者については,賃金センサスのうち「産業計,企業規模計,学歴計,女性労働者の全年齢平均賃金額」を利用して基礎収入額を算定します。
パートタイマーなどの兼業主婦の場合,実収入額と平均賃金額のいずれか高い方を利用して算出します。実収入額と家事労働分に当たる平均賃金額を合計して算出することは通常ありません。

 

学生・幼児
賃金センサスのうち「産業計,企業規模計,学歴計,男女別全年齢平均の賃金額」を基礎に算定します。

 

高齢者
就労する高い可能性があれば,賃金センサス「産業計,企業規模計,学歴計,男女別,年齢別平均の賃金額」を基礎に算定します。

 

失業者
労働能力と労働意欲があり,就業できる高い可能性がある場合に基礎収入の存在が認められます。
再就職によって得られるであろうと考えられる収入を基礎とすべきということになりますが,通常は,失業前の収入を参考に算出することとなります。失業前の収入が平均賃金以下の場合,平均賃金を今後得られる高い可能性があったという場合には,男女別の賃金センサスを用いて算出することとなります。

 

2.労働能力喪失率
後遺症によって失われた労働する能力の割合をいいます。
後遺障害等級によって労働能力喪失率の相場は,決まっています。
その割合については,損害保険料率算出機構のこちらのページをご覧ください。
後遺症がどの等級に該当するかは,こちらのページの一番下の部分ご覧ください。

 

3.労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
ライプニッツ係数というのは,損害賠償額を調整するために利用されている数字です。何を調整しているのかというと金利です。
例えば,いま100万円をもらったとして,金利を仮に5%とすると1年後に105万円になります。
交通事故の損害賠償で逸失利益5000万円を一括で受け取ったとして,1年後には,5250万円になるわけです。
しかし,本来,逸失利益の賠償というのは,後遺症がなければ,これだけ稼げたのに稼げなくなったことに対する賠償です。もともと,毎月,毎年少しずつ発生していっている損害なわけです。これを一括でもらってしまうと,金利の分,多少,被害者が得をすることとなります。
これを調整している数字がライプニッツ係数というものになります。
現在,民法では,年5%の金利が発生するものとされていますので,ライプニッツ係数は,これに基づき数学上算出されています。
具体的な数字は,損害保険料率算出機構のこちらのページをご覧ください。
労働能力喪失期間については,原則として67歳まで就労可能だと考え,事故時の年齢から67歳までの期間とされています。

 

4.具体例

症状固定時の年齢が50歳,年収500万円,男性サラリーマン,後遺障害等級9級の場合
500万円×0.35×11.2741=19,729,675円
基礎収入に9級の労働能力喪失率である35%及び67歳までの労働能力喪失期間17年に対応するライプニッツ係数11.2741を乗じて計算しています。

10歳の男児が障害を負い,後遺症害等級9級の場合
5,503,900円×0.35×12.2973=23,689,088円
基礎収入は,平成20年男性労働者学歴計全年齢平均賃金となっています。
ライプニッツ係数は,18歳未満の被害者の場合,
「67歳までのライプニッツ係数-18歳に達するまでのライプニッツ係数」
という計算方法を利用します。そこで,以下の通り計算しています。
67歳-10歳=57年に対応するライプニッツ係数=18.7605
18歳-10歳=10年に対応するライプニッツ係数=6.4632
18.7605-6.4632=12.2973

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2015.05.24更新

被害者の方が死亡した場合の逸失利益の算定方式は,以下のとおりとなります。

 

基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

 

1.基礎収入額
後遺症による逸失利益の場合と同様です。

 


2.生活費控除率
生きていれば,必ず生活費がかかります。この生活費分のお金は,当たり前ですが手許に残りません。そのため,生存していても生活費として使ってしまったであろう金額は賠償額から控除されます。
そして,収入のうち生活費として使ってしまったであろう割合を生活費控除率といいます。

被害者が一家の支柱
被害者の方が一家の支柱であった場合,被扶養者が1人であれば,生活費控除率は40%程度,被扶養者が2名以上の場合は,30%程度が通常の率となります。

 

被害者が女性
被害者が女性の場合は,生活費控除率は30%程度が通常の率となります。

 

被害者が男性
被害者が男性の場合は,生活費控除率は50%程度が通常の率となります。

 

3.就労可能年数に対応するライプニッツ係数
後遺症による逸失利益の場合と同様です。

 

4.具体例
年齢30歳の主婦の死亡逸失利益

3,499,900円×(1-30%)×16.7113=40,941,515円

基礎収入:平成20年女性学歴計全年齢平均賃金
生活費控除率:30%
ライプニッツ係数:就労可能期間37年の値

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2015.05.24更新

被害者が亡くなった場合の慰謝料額は,概ね以下の金額となります。

 

一家の支柱   2,800万円
母親,配偶者  2,400万円
その他      2,000万円~2,200万円

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2015.05.24更新

傷害を負ったことの慰謝料は。原則として入院期間や通院期間から割り出します。

弁護士会が基準としている金額は,むち打ち症で他覚症状のない場合以外については,以下の金額です。

表の見方ですが,横軸が入院期間,縦軸が通院期間を示しています。

入院のみ1ヶ月間であれば,53万円ということになります。

入院が3ヶ月,通院が5ヶ月であれば,204万円となります。

 

  入院 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
通院   53 101 145 184 217 244 266 284 297 306
1月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311
2月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315
3月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319
4月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323
5月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325
6月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327
7月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329
8月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331
9月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333
10月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335

投稿者: アビーム法律事務所

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